死体にキスI?マオリのお葬式に参列
幸いなことに、日本では、お葬式にはほとんど参列したことがありません。
一番、最後に参列したのはもう20年近くも前だと思います。
残念ながら数ヶ月前に亡くなった祖母のには参列できなかったので↓
ですが、ニュージーランドに来て、早2年すでに3回もお葬式に参列しています。
こっちでは、遠い親戚でも参列することが多いようで、行く機会も多くなるのだと思います。
そして、おとといまた行ってきたのでそれをまとめます。
最後のキスから葬儀まで
今回、亡くなったのは彼の亡くなったお父さんの叔父さんでした。
私の感覚からすると遠い親戚だと思うのですが参列することになりました。
私は自分の父の叔父さんは会ったことないので、やはりマオリは家族の繋がりが深いなと感心。
まず、亡くなった翌日に叔父さんの家に行き、最後のお別れをします。
リビングには棺に入ったおじさんが眠っています。
正直、亡くなった方を見ることもほとんどないので、少しビックリしてしまいました。
やっぱり肌の色が亡くなると、本当に変わってしまうんですね。
家の中で数人の親戚がマオリ語で何やらスピーチしています。
そして、その話が終わると、玄関口でそれを聞いていた私と彼が中に入るように言われます。
そして、彼は中にいる人達にハグとキス(マオリがよくする挨拶の仕方)をして、最後に叔父さんにキス。
見ていた私、エッ・・・
固まっている私を見た彼が、「いや、しなくてもいいよー」と言ってくれたので、周りにハーイと手を振りそそくさと退散。
周りも私が外国人なのはわかっていたので、そこは多めに見てくれたと思います。
いやーだって、ほとんど亡くなった人なんて見たことないのに、キスなんてできないよ!
それにむしろ私からしたら全く知らない人だもん。
その後、何でもない古めな六人がけぐらいの車(オデッセイとかプレマシーとかそんな感じの)に、その棺をのせて、葬儀会場のマラエまで出発します。
その後を車で皆ついていきます。
ここでハプニング!!
皆、会場前の何でもない道の路肩に車を停めるので何かと思ったら、棺が入った車がオーバーヒートしたようで動けなくなってしまったよう。
彼いわく、これよく起こるよう。
マオリの迷信でいうと、故人が行きたくないと言ってるみたいです。
そんなこんなで15分ぐらい停車した後、無事また動き出し、マラエに到着。
マラエとはマオリの集会場みたいなところで、部族ごとに自身のマラエがあります。
今回言ったマラエはこんなとこでした↓
着くと、葉っぱを持った女性2人がハラマーエと叫んでいます。
これはhaere maiと言って、マオリ語でようこそという意味です。
この左側の建物の中に靴を脱いで上がります。
中に入ってすぐに、親族の方が並んでいるので一人一人に挨拶をします。
男性の親族に対してはホンギ(鼻と鼻をくっつける)。
何回やっても慣れません。
女性の親族に対しては、ハグをし頬にキス。
私はこれも慣れないので、頬同士を合わせるだけにしています。
そうして、ようやく着席すると、親族の方数名が順番にマオリ語で何やら話してます。
思い出話とかお別れの言葉なんでしょうね。
しかし、段々マオリ語を離せない人が多くなっている中、マオリ語でスピーチできて素晴らしい。
多分、参列している人の全員がわかっているわけではないでしょうが。
そのスピーチの途中途中に皆でマオリの歌を唄います。
皆、歌えているので有名な歌なのでしょう。
そんな感じで1時間ぐらいでこの式が終わり、別棟に移り食事を頂きました。
今回頂いたものはボイルアップとフライドブレッド(こちらもご覧下さい↓)
そしてお腹いっぱいになった後に帰宅しました。
マオリの埋葬は棺のまま
日本は火葬ですが、海外では棺のまま埋葬することが多いです。
マオリの風習もそうです。
そして、埋葬は亡くなってから大体3日後にすることが多いようです。
お墓に移動すると、もう既に深く穴が掘られてあり、そこにゆっくり機械で棺を下ろしていきます。
そして、その周りには親族を中心に皆が集まり、またスピーチを聞きます。
その後に、皆一列に並び、花が配られ、それを順番にその棺の上に落とします。
花が配られない時は、穴の周りにある土を棺にまきます。
そして、また親族全員にホンギ、頬キスの挨拶。
こんな流れです。
そして、お墓を出る前には水で手を洗い、そして頭にも水しぶきを少しかけてお清めします。
正直、マオリの葬儀はマオリ語で行われることが多いので、よくわからないことも多かったですが、全体的に愛に溢れた葬儀だなと感じました。
ご冥福をお祈りします。